保健室で寝ていたら、爽やかモテ男子に甘く迫られちゃいました。
「お兄ちゃんは、菜花お姉ちゃんのこと大好きなんだけどね、乙女ゴコロって難しいね」
「んー、よくわかんないけど……でも、菜花お姉ちゃん、すっごく可愛いから涼々にお似合いだと思うけどな、瑠々」
「瑠々ちゃんっ」
『菜花』さりげなく夏目くんが発したその響きに、一瞬ドキッとしたのは心臓のバグだ。
夏目くんとお似合いどうこうは置いておいて、瑠々ちゃんの発言にシンプルに照れてしまっている自分が恥ずかしい。
でもだって、これぐらいの歳の子はお世辞なんて言わないイメージだから。
同世代の子に言われるよりもうんと、真に受けてしまう。
少なくとも、この可愛らしい天使のような瑠々ちゃんには私が可愛く見えてるんだ。
全人類の目が瑠々ちゃんと同じ目をしてたらいいのに、なんて。
調子に乗る。
「うん、お兄ちゃんもそう思う。あ、瑠々は?幼稚園に好きな男の子できた?」
「フフッ、瑠々はね〜、ライオン組のナオくんがね……」