保健室で寝ていたら、爽やかモテ男子に甘く迫られちゃいました。
「夏目くんは今のご両親のこと好きじゃないの?」
「んーどーだろ。ただ、すごい気を遣う、かな」
そう言いながら天を仰ぐ夏目くんの顔を横目で見る。
家族に気を遣えるなら私にだってそうして欲しいんだけど。
なんて。
なんだか隣にいる夏目くんが、何かに怯えてるような、今にも逃げ出しそうな雰囲気をまとっているから。
あんまり気の強いことが言えない。
いつもの夏目くんは嫌いだけど、いつもと違うのもなんだが調子狂うな。
「特に、瑠々が生まれてから……」
「瑠々ちゃん?」
「うん。普通に考えて自分たちの本当の子供が1番可愛いでしょ。3人の仲を俺が邪魔してるみたいで居心地が悪いっていうか」
「……そんなこと」
「あるよ。それが申し訳なくてあまり家にもいたくなくて。だから今日、郁田さんが一緒にいてくれて助かった」