保健室で寝ていたら、爽やかモテ男子に甘く迫られちゃいました。
*
「さすが郁田さん。来てくれるって信じてたよ」
夏目くんから連絡が来た日から一週間後。
待ち合わせ場所の駅で待っていた彼は、私の顔を見るなりニヤついた顔を向けてきた。
「瑠々ちゃんのためだから。私も何かプレゼントしたいし」
「郁田さんってなんだかんだ言ってすごい優しいよね」
「夏目くん以外にはね」
「はいはい」
こっちは冷たく返しているのに、目の前の彼はなんだか楽しそうでそれがいちいち癇に障る。
この間と同じく、周りの女の子たちはソワソワした様子で夏目くんのことを見ているし。
皆さん、この人、顔だけですよ。
騙されないでください。
「それで?瑠々ちゃんにどんなものプレゼントするかって決まってるの?」
「決まってたら郁田さんに助け求めないよ。女の子って勘が鋭いから詮索したら気付かれそうだし。一応サプライズにしたいから」
「なるほど……」
たしかに瑠々ちゃんは、すぐに気付きそう。
「けど、欲しいかどうかわからないものあげてもかえって気を遣わせないかな?」
「だから頼りにしてるよ。同じ女子目線っていうか」
「えーー」