保健室で寝ていたら、爽やかモテ男子に甘く迫られちゃいました。

「瑠々ちゃん、この前遊んだとき、言ってたんだ」

『ねぇ、菜花お姉ちゃん』

『ん?』

『菜花お姉ちゃんは、涼々が瑠々のこと大好きに見える?』

『え、どうして?見えるよ。すっごく大好きに見える!!』

『フフッ、そっかぁ〜、そうだよねっ、フフッ』

瑠々ちゃんはそう言ってすっごく嬉しそうに笑ったけれど、

今思えば、どうしてわざわざあんなこと私に確認したんだろうって思う。

「もしかして瑠々ちゃん、」

「……気付いてる、のかな、」

「……」

子供は意外とそういうのに敏感だって聞いたことがある。

大人のふとした表情とか何気ない言葉をずっと覚えているって。

瑠々ちゃんはもしかして、夏目くんが家族に抱いている複雑な感情を何となく察して、

不安なのかもしれないって。

わかんないけれど。
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