保健室で寝ていたら、爽やかモテ男子に甘く迫られちゃいました。
「よし、これで全部揃ったね」
「うん。ほんと助かったよ」
「私はなんもしてないし」
「ううん。郁田さんが瑠々の言葉を思い出させるように色々言ってくれたからだよ」
「別に……」
夏目くんにそんなふうにど直球に言われるとどうも調子狂う。
「よし、ご飯食べに行こう」
「え?」
「お腹すいたでしょ、郁田さん」
そう言って手を伸ばした夏目くんに、2秒ほど反応するのが遅れてしまい、
私の手はあっという間に彼の手のひらのなかにおさまってしまった。
「ちょ、離して、私は全然お腹減ってな─」─」
グゥーーーーーー。
「……立派に空いてんじゃん」
「……」
消えてしまいたい。
「選び放題だよ、何食べたい?今日付き合ってくれたお礼」
そう言って笑顔を向けてた夏目くんの表情が、
今までと違って、ほんの少し自然で柔らかくなってる気がして。
「……っ、わ、わかったから」
なんだか変に彼のペースに飲み込まれてしまった。