保健室で寝ていたら、爽やかモテ男子に甘く迫られちゃいました。
「まぁ、人によっては怒る人もいるかもしれないけど」
「はい……」
「うわ、郁田さんがそんな素直だと調子狂うな」
「……」
今の私に何も言えない。
いくら夏目くんに邪魔ばっかりされて嫌な思いしてるからって、
踏み込んでいいところとダメなところがあるわけで。
時間を置いて冷静に考えると、自分の正しいと思っていた見方が、誰かを傷つけていたかもしれないと気付く。
あの時は私も少し感情的になりすぎていて。
言い訳にしかならないのだけれど。
「郁田さんのあの言葉を誰がどう捉えるかはわからないけど。でも俺は、嬉しかったよ」
「えっ……」
夏目くんのセリフに驚いて俯いていた顔を上げて彼の方に視線をうつせば、
月明かりに照らされたその横顔が綺麗すぎて、なんだかその瞳に飲み込まれそうですぐに逸らした。