保健室で寝ていたら、爽やかモテ男子に甘く迫られちゃいました。

「俺の話聞いて、郁田さんが泣いてくれて。怒ってくれて」

「……っ、」

「郁田さんが真剣に考えてくれたからこそ出てきた言葉でしょ。どうでもよかったらあんな熱量で話さない」

「熱量って……」

自分がいかに熱くなってしまっていたのか気付かされて余計に羞恥がこみ上げてくる。

「それにやっぱり図星だったからね。気を遣ってるのも本当だけど、俺だけじゃダメだったんだっていうショックっていうか。そう思えるってことは自然とふたりに心許してて甘えることが出てきてた証拠だなって。郁田さんが言うように、俺はまだ子どもで瑠々に嫉妬してるところがあった。それに気付けたんだよ。それにね、」

夏目くんがそう言って、私の左手をギュッと握った。

「ちょっ……」

振り解こうとしたけど、あんまり優しい顔をして微笑むからできなくて。

「郁田さんが手紙書くことを提案してくれたおかげで俺はちゃんと瑠々と向き合えた。いざ手紙書こうって机に向かったらさ、ほんと、瑠々の笑顔ばっかり浮かんできて。あー俺、ちゃんと瑠々のこと好きだなーって思えたんだよ」

「夏目くん……」
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