保健室で寝ていたら、爽やかモテ男子に甘く迫られちゃいました。
──シャッ
カーテンを開ける音がして目が覚める。
まぶたはまだ重たいけれど、うっすらと開く。
先生、帰ってきたのかな。
どれぐらい寝たのかわからないけれど、さっきよりも身体はだいぶ楽になっている気がする。
「遅れてごめんっ」
え……。
男の人の、声?
透き通るような優しい声。
「今しか使えそうになくて。あんまり時間もないからゆっくりできないけど。呼び出してごめんね」
んん?
何度も謝まる声の主が、まだ私の視界に映ってこないので私に話しかけてるのか定かではない。
だけど、やけに距離は近い気がする。
一体……誰?
起き上がって確認したいけれど、先生ではない人物がここにいるかもしれないということへの怖さから身体が硬直してなかなか動けない。
「なんか今日、いつもより増して全然我慢できなくてさ──」
男子の制服が視界に入りそのまま目線を上げれば……。
「……えっ、郁田、さん?」