保健室で寝ていたら、爽やかモテ男子に甘く迫られちゃいました。
本当はもう少し保健室で休むつもりだったけれど、夏目くんのせいで出ていかなくちゃならない空気になってしまったのだからしょうがない。
みんなに夏目くんの素顔を言いふらして彼の株を下げてやろうと思えばいくらでもできるけれど。
──ズキン
襲ってくる鈍い痛みと、不快感。
正直、今はそんな気分でもない。
騒いだせいでよけい痛みがひどくなってる気がするし。
夏目くんめ……。
「あんまり無理しないでよ〜菜花」
「うん、ありがとう……」
優しい言葉をかけてくれるみんなにお礼を言って、私は、次の移動教室の準備をするために自分の席へと向かう。
「サボり?」
「へっ……」
机の引き出しから筆記用具を取り出していると、隣の席の泉 楽くんがニヤッといたずらな笑みを浮かべながら聞いてきた。