保健室で寝ていたら、爽やかモテ男子に甘く迫られちゃいました。
「違うよ。ちゃんとした体調不良」
「あーはいはい、アレね」
アレって……。まぁアレだけど。
察しのいい泉くんは、すぐにわかってくれたみたい。
でもやっぱり男の子にそういう話するのは抵抗あるよな。
泉くんは女友達もたくさんいるし、彼の雰囲気も相まって、他の男子と比べれば、比較的そういう話すのは嫌じゃないけど。
はちみつ色に染められたふわふわの髪の毛と生まれつきクルッとあげられた長いまつ毛。
女の子に負けないぐらい可愛い。
誰とでも話せる人懐っこい子だから、自分から積極的に話すのが苦手な私にもこうしてよく話しかけてくれる。
見た目はフワッとしてて可愛らしいのに、中身は結構毒舌家。
そんな彼の持ち前のギャップもあって、泉くんには密かにファンがいたりする。
「そっか。じゃあ今日の放課後カラオケとか無理か」
「カラオケ?」
「うん。T高の人たちが女の子紹介してってうるさいからさ〜今日、郁田のこと誘おうと思ってたんだよ。でも体調悪いからダメか」
T高って、確か男子校だったよね……。