保健室で寝ていたら、爽やかモテ男子に甘く迫られちゃいました。
何……今の。
表情は相変わらず涼しそうで爽やかなくせに。
夏目くんの触れた手が、息が、熱くて。
こっちにまでそれが伝染して。
身体中が熱い。
「ちょちょちょちょ!!今の何!!」
「いや……」
こっちが聞きたいよ。
「なんて言ったの夏目くん!!さっきはありがとうっなに!何があったのふたりとも!」
『……もう俺以外の男に触られちゃダメだよ』
そのセリフが頭から離れなくて何度もリピートされて。
「何があったんだろうね……」
「はー?!」
ごめん、光莉。
大興奮の光莉にも申し訳ないけどどう説明していいのか思考が回らなくて。
自分でもわからないんだ。
前の私ならすぐからかわれているんだって気にしなかったことなのに。
心臓はずっとバクバクとうるさくて。
今までどんなに触られてもこんな風にドキドキしなかったはずなのに。
これって……。
まさか……。
嘘でしょ……。
ありえない。
「菜花なんかしゃべっ……え、」
私の顔を覗き込んだ光莉が固まって言葉につまった。
今、私は史上最高に顔が熱い。
私……あの男のこと……。