保健室で寝ていたら、爽やかモテ男子に甘く迫られちゃいました。

「えっ、百合、日野先生が好きなの?!」

「……っ、うん」

「きゃあーー!まじか!」

大人しめな百合ちゃんのカミングアウトなんかも聞けて。

大好きなみんなのことをもっと深く知れた気がして楽しくて。

心がポカポカしてくる。
たまにはいいな、こういうのも。

なんてひとりほっこりした気持ちに浸っていたら。

「はい、私ちゃんと言ったからね。次、菜花の番っ」

百合ちゃんに突然話を振られてしまった。

「えっ?!いや、私は何も……」

「あるでしょ。ありありでしょ。この中で一番あるよ」

「……っ、」

食い気味の光莉に返す言葉が出てこない。

どうしよう……。

みんなが今まで仕舞っていた大切な気持ちをたくさん聞いといて。

自分は話さないって、ズルいよね。

ただ……。

夏目くんをみたときに鳴る音の正体に気付いてしまった今、恥ずかしさでおかしくなりそうで。
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