保健室で寝ていたら、爽やかモテ男子に甘く迫られちゃいました。
「ねぇ、菜花。あんた、やっぱり夏目くんと何かあったでしょ」
「……っ、」
みんなの目線が一気に私に集中する。
「菜花」
「……えっと、」
こんな話をまさかみんなにする日が来るなんて。
でも、正直、ずっと自分の中にしまっておける自信もない。
こんな気持ち初めてで。
どうしたらいいか分かんないから。
だから……。
「……菜花は夏目くんのこと、どう思ってるの?」
光莉に優しくそう聞かれて。
私は意を決して口を開いた。
「……前はなんとも思ってなかったんだ。というより、どちらかというと苦手っていうか。けど、夏休みに話す機会があって……」
「じゃあやっぱり、夏目くんがデートしたっていう相手って……」
雪ちゃんのセリフに小さく頷く。
夏目くんの過去を知れて、彼の家族と過ごして。
私の中で、夏目くんを見る目が変わった。
彼の普段余裕そうな姿は、本人が努力してそう見せているもので。
無敵そうなのに実は少し弱くて。
家族のことを彼なりにちゃんと大切に思ってて。