保健室で寝ていたら、爽やかモテ男子に甘く迫られちゃいました。
『郁田さんが寄り添ってくれた』
『俺決めたから、郁田さんのこと離さないって』
『もう意地悪しないから、覚悟しててね。菜花ちゃん』
かけられた言葉の数々を思い出して顔が熱を持つ。
いつもの私ならこんなこと絶対口に出したりしないのに。
修学旅行という特別な日、特別な空間が、そうさせるのかも知れない。
「……前はなんともなかったのに、最近おかしいんだ。夏目くんのことまともに見れなくて……どうしたらいいのかなって」
恥ずかしさで俯きながらそういう。
実際に口に出すと余計恥ずかしい。
「そんなの!!もう気持ち伝えたらいいじゃん!!ふたり絶対両想いなのにっ!!」
「菜花、好きなんでしょ?夏目くんのこと」
「……っ、う、」
『好き』
だなんて。自分でもびっくりだ。
「菜花?」
光莉に顔を覗き込まれ。
「……っ、す、好き、なの、かな……」
「わ〜菜花が素直〜〜!!可愛い〜!!」
「ちょ、結花ちゃんやめてよ……」
冷やかされてさらに顔が火照る。
変な汗まで出てくるし。
もう一回お風呂に入りたい。