保健室で寝ていたら、爽やかモテ男子に甘く迫られちゃいました。

「告白、しないの?夏目くんめっちゃ菜花こと好きじゃん」

「てか夏目くんから告白されてんじゃないのー?」

「いや、いやいやいや……告白なんてされてないし、出来ないし……無理無理。そもそも自分の気持ちを確信したのが今日ってだけで」

みんながどんどん話を進めるから必死に止める。

「今日わかったんだからすぐにでもアクション起こすべきでしょ!」

「え、逆になんで渋ってるの?全然わからないんだけど!だってどう見ても夏目くん菜花のこと好きじゃん……」

「それは……夏目くん、みんなに優しいじゃん」

「いや〜菜花には前から特別に見えたけどね?」

「……」

夏目くんが私に対して特別だったのは、あの時たまたま、保健室にいたのが私だったからで。

私を監視するため。
今だってそれは変わってないと思うし。

流石に夏目くんの本当の姿をみんなに話すことはできないから、どう説明していいのかわからないけれど。

夏目くんが私に近づいたきっかけは、絶対に好意からではなかったのは確かで。

それに……。

天井月子先輩。

どうしてもチラついてしまう存在。

彼女が夏目くんにとって特別な女性だってことは、前になんとなく察したけど、

やっぱり私が踏み込める空気じゃなくて。
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