保健室で寝ていたら、爽やかモテ男子に甘く迫られちゃいました。
「なんで……こんな……」
「首輪、みたいな?」
「はっ……?」
顔を上げた瞬間、夏目くんの手が私の首に回されて。
その指がネックレスをなぞる。
「ちょっ……」
くすぐったさで顔が歪む。
「相変わらず、敏感だね」
「っ、やめっ、て……」
今日はホテルにある備え付けのシャンプーを使ったのか、
夏目くんのいつもの香りとは違う香りが鼻をかすめて。
わざとらしく、自分の首筋からリップ音が響いた。
「な、ちょ、夏目くん何もしないって!」
「男の言うことすぐ信じちゃダメだって言ったよね?」
「……っ、」
男、男って。
夏目くんだから信じてしまったんだよ。
もう後戻りできないところまで、気持ちが溢れてしまっているんだと同時に気付かされて。
心臓がバクバクとうるさい。
夏目くんの高い体温に触れられたところから全部じんわり熱くなって。
「見て。郁田さん、可愛い顔してる」
「っ?!」
夏目くんの視線を追えば、鏡に映る、顔を真っ赤にした自分が見えて。
「〜〜っ!!」
恥ずかしさですぐに鏡から目を晒して、夏目くんを睨みつける。