保健室で寝ていたら、爽やかモテ男子に甘く迫られちゃいました。



「次はアレ!!」

「ねぇ菜花、ちょっと飛ばし過ぎじゃない?」

「うん、お昼の時間とっくに過ぎてるし」

4つのアトラクションに乗り終わってすぐ、次に乗ろうとしたジェットコースターを指さした私に、

みんながちょっと疲れた顔をしながらそう言った。

「あっ、ごめ……」

やってしまった。
乗り物に集中していたら、余計なこと考えなくて済むからって必死で。

少しでも考える時間ができてしまったら、夏目くんの女の子たちに向けた笑顔を思い出すから。

アトラクションに乗ればそのスピードと一緒に全部吹き飛ばせる気がして。

「珍しいね、菜花が積極的なの」

「菜花が絶叫系好きなんて意外かも」

「チッチッチッ。菜花は今、人生はじめての気持ちに戸惑っているのよね〜?」

雪ちゃんたちの声に紛れて、光莉が言わなくていいことを言うから。

あからさまに唇を少々尖らせてしまい、慌てて直す。

「あ、そうだ、ご飯!そろそろ食べなきゃね!」

話を逸らそうと話題を変えれば、みんなと意見が一致して、

私たちはすぐにパーク内のレストランへと向かった。
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