保健室で寝ていたら、爽やかモテ男子に甘く迫られちゃいました。
*
「次はアレ!!」
「ねぇ菜花、ちょっと飛ばし過ぎじゃない?」
「うん、お昼の時間とっくに過ぎてるし」
4つのアトラクションに乗り終わってすぐ、次に乗ろうとしたジェットコースターを指さした私に、
みんながちょっと疲れた顔をしながらそう言った。
「あっ、ごめ……」
やってしまった。
乗り物に集中していたら、余計なこと考えなくて済むからって必死で。
少しでも考える時間ができてしまったら、夏目くんの女の子たちに向けた笑顔を思い出すから。
アトラクションに乗ればそのスピードと一緒に全部吹き飛ばせる気がして。
「珍しいね、菜花が積極的なの」
「菜花が絶叫系好きなんて意外かも」
「チッチッチッ。菜花は今、人生はじめての気持ちに戸惑っているのよね〜?」
雪ちゃんたちの声に紛れて、光莉が言わなくていいことを言うから。
あからさまに唇を少々尖らせてしまい、慌てて直す。
「あ、そうだ、ご飯!そろそろ食べなきゃね!」
話を逸らそうと話題を変えれば、みんなと意見が一致して、
私たちはすぐにパーク内のレストランへと向かった。