保健室で寝ていたら、爽やかモテ男子に甘く迫られちゃいました。

「楽ー!楽、楽、楽!ちょっと!」

光莉は、教室に着いたばかりの泉くんめがけてドアの方まで走っていってから、

彼の袖を無理やり引っ張りながら私の席へと戻ってきた。

「ちょ、んだよ!」

引っ張られてシワになったシャツを気にしながら少し不機嫌な声の泉くん。

なんだか申し訳ない……。
巻き込んでしまって。

「あんた夏目くんと同じバイト先でしょ?なにか聞いてないの?昨日から学校休んでんじゃん!バイトはどうなの!」

「へー。学校にも来てなかったんだ。あいつ」

「は?知らなかったの?」

「別にあいつに興味ないし」

「あん?!」

信じられないという顔で光莉が泉くんを見る。

泉くん、修学旅行の時に言ってたこともそうだけど、本当に夏目くんのことよく思っていないんだな……。

「はぁ……一昨日、急に数日出られなくなるかもしれないって、店長にそれだけ言ったみたいだけど。それ以外は何も聞いてねー」

と泉くんが少し気に食わそうな顔で言う。

数日休むって……。
何があったんだろう。
< 276 / 335 >

この作品をシェア

pagetop