保健室で寝ていたら、爽やかモテ男子に甘く迫られちゃいました。
「プっ」
へ?
突然、この場の空気に似合わない音を天井先輩が発した。
「ハハハハッ、無理だ。もう限界っ、ふはっ」
綺麗な顔に似つかわしくない豪快な笑い方に呆気にとられる。
え、今、笑うところ?
「ふふふっ、ごめんねっ。はー、お腹いたい。ごめんごめん。嫌な想いさせちゃって。今までのは全部お芝居!引っかかった?私の迫真の演技どうよ!」
「え?」
何を言っているの、この人は。
「こうでもしないと、菜花ちゃんは本当の気持ち吐き出してくれないと思ったから。やっぱり私が思った通り。似てるわね、あなたたち」
演技?
こうまでしないと?
さっきまでの天井先輩とは違って別人みたいで、呆気にとられてしまう。
「あの、あなたたちって……」
「そんなの、ひとりしかいじゃない。涼々よ」
天井先輩はそう言ってまた紅茶を一口啜った。
「あの子も菜花ちゃんと一緒。昔から思ってること素直に口にしないのよ」
「……は、はあ」
「私、涼々と同じ施設で育ったのよ」
「えっ……」
天井先輩のセリフに言葉が詰まった。