保健室で寝ていたら、爽やかモテ男子に甘く迫られちゃいました。
「……今、郁田さんにハッキリと『嫌いだ』って言われたら、本格的にダメになりそうでさ。だけど、月子に言われたんだ」
『そんなもの、今から誰よりも菜花ちゃんのこと幸せにすればいいだけじゃない。誤解させてしまう行動をとってた私も悪いから、ちゃんと私はけじめをつける』
『これからの涼々の行動しだいでしょ?傷つけた日よりも、喜ばせる日を増やしていけばいい。過去に起きた事実は変えられないけど、これからくる未来のことはいくらだって変えられる』
『変わろう、私たち。ちゃんと』
そう言われて、ハッとした。
俺の過去にこびりついた闇を光に変えてくれたのは紛れもない、郁田さんだったって……。
だったら、今度は俺も、郁田さんのそういう存在に、なんておこがましいこと承知の上だけど。
「未来は……変えられる、」
「うん、まぁ、だからその……」
長々と話しても、うまくまとまらない。
『明日、菜花ちゃんのこと連れてくるから!』
昨日言われた月子のセリフなんて正直半信半疑で、昨日の今日で、全く全然思うように言葉が出てこない。
しゃべればしゃべるほど、変な方向へと勘違いさせてしまいそうで。
この気持ちに揺らぎなんてもうない。
確信しているはずなのに。
緊張と、溢れる想いが絡まって。