保健室で寝ていたら、爽やかモテ男子に甘く迫られちゃいました。
菜花side
彼を好きになって恋をして、私はだいぶ涙脆くなったと思う。
夏目くん、バカだよほんと。
「え、あ、郁田さん?なんで泣いて……そんなに嫌だった?!ごめ、」
「違っ、」
そう言いながら涙を拭う。
泣いちゃうよ、こんな。
だって、夏目くんがあんまりおかしなこと言うんだもん。
頭いいんでしょ。
なのにどうして。
わかんないかな。
「……だって、夏目くんが頑張ることなんて、何もないから、」
「へ?」
とぼけたその顔にさえ、キュンとしてしまう。
ドキドキと心臓がうるさくて、涙は流れてくるばっかりで。
なんでそんな自分だけみたいな言い方。
自惚れないでよね。
「……私も、とっくに夏目くんのことが好きだからっ」
涙でぐしゃぐしゃな顔は、きっと私史上一番ブサイクだ。
だけどそんなことどうだっていいと思えるよぐらいには。
あなたに溺れているよ。
「……はっ?」