保健室で寝ていたら、爽やかモテ男子に甘く迫られちゃいました。



「ほんと朝から熱々でいいね〜」

教室について夏目くんと別れれば、先に教室に来ていた光莉に早速冷やかされる。

「いや〜」

「いや〜って。なにがいや〜よ。あんなに毎日、人目もはばからずに菜花のこと溺愛してる夏目くんに不満があるっていうの?!」

「いや、ない、不満、ない、です」

確かに、夏目くんがあれから私を大事にしてくれていることはよく自覚している。

周りにちゃんと私が彼女だって言ってくれるし。その分あちこちから質問攻めされて大変な時もあったけど、それもだいぶ落ち着いてきて。

だけど……。

「見てよ雪たちなんて絶賛倦怠期よ」

「倦怠期じゃないから!向こうが悪いの!私に内緒でM高の女子たちと遊びに行ってんだもんよ!」

「あーただのヤキモチでした、こちらもお熱いです。はいはい」

「光莉ーー!」

「で、なんかあった?」

毎度の光莉と雪ちゃんのやりとりに苦笑していると、光莉が突然、小声でそう聞いてきた。
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