保健室で寝ていたら、爽やかモテ男子に甘く迫られちゃいました。
「体育を受けない本当の理由」
「んー言いたくない、かな」
「えっ……」
「けど……」
突然、夏目くんの手がこちらに伸びてきたかと思えば、その手が私の首筋に触れて
「ちょっ、な、……やっ」
次の瞬間、その細くて長い指の腹がスーッと肌を撫でた。
「やめてよっ!急になにっ、話そらそうとしても無駄だよっ」
「そらすつもりなんてないよ」
「じゃあっ……」
勝手に触れてきた夏目くんをキッと睨む。
『じゃあ、一体なんの真似よ』
「……郁田さんが俺の相手してくれるなら、話してあげてもいいよ」
わざと吐息がかかるように私の耳元でささやく彼の声に、身体が無意識にビクッと反応する。
「やめてっ。離れてよっ!わかったよ、話さなくていい。相手なんてしないからっ、」
そう抵抗すれば、夏目くんが私の耳のそばで「フッ」と息を吐いて続けた。
「っ、……」
背筋がゾワっとして顔が歪む。
「……やっぱり、郁田さんってここらへん弱いの?」
また話がズレている。
本当になんなんだこの人……。