保健室で寝ていたら、爽やかモテ男子に甘く迫られちゃいました。

「えっと……何をでしょうか……」

あまりにも唐突すぎるセリフに困ってしまう。
だって、アバウトすぎるんだもん。

「あれ、わからない?」

「ちょっと、わからないです。すみません」

人気者の夏目くんと私が一体これから何をするっていうんだ。

できれば夏目くんの役に立てるならそうしたいけれど、私だって体調が万全ではないわけで。

何をするのかを聞かないと、今の私だってしてあげられることの限界がある。

「……郁田さんって、見た目に寄らず天然?」

「いや、今までに天然だと言われたことはないですが」

なぜか驚いた顔をする夏目くん。

「あの……夏目くんは、なんでここに」

夏目くんのして欲しいことを詳しく聞く前にまずは状況を整理しなくちゃ。

話はそれからだ。

寝たまま話を続けるのはさすがに失礼かと思って身体を起こそうとしたけれど「いいよそのままで」と言われて、お言葉に甘えた。

「約束、してたんだけど」

「保健室で?」

「うん」

保健室で約束って。
変なの。

だって普段は養護教諭の先生が保健室にいるわけだし。生徒だけで利用するんだとしたら難しくない?

あ、夏目くんは先生と約束があるってこと?
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