保健室で寝ていたら、爽やかモテ男子に甘く迫られちゃいました。

「はー?お前らまで夏目夏目言うんか。興味ないから知らないけど」

「なんだその態度」

「べっつに〜〜」

と言いながら席を立って友達の輪へと行ってしまった泉くん。

「……変やなつ」

「こいつに聞いたのが間違いだったわ」と続けた光莉。

ほんと、今のはちょっと泉くんらしくなかったなと思う。

確かに毒舌家なところはあるけれど、感情的になる方ではないと思っていたから意外。

夏目くんの名前を出した瞬間、明らかに泉くんの態度が変わった。

泉くん、夏目くんと何かあったのかな。

「もういっそ菜花の方から聞いてよ〜最近仲良いんだし、菜花になら教えてくれそうじゃない?」

「い、いや〜」

聞いたけどまんまと話を逸らされてしまったんだよ。
しかも、仲良くは決してない。

ブーブーッ。

ん?

スカートのポケットに入れてたスマホが震えたので取り出して画面を確認する。

「……っ、」

「どうした菜花。固まって」

「えっ、いや、ううん!ママからお使い頼まれちゃって、うん」

そう言ってすぐにスマホの画面を机に伏せる。

「そっか。菜花んちの夕飯は何かな〜うち今日3日目のカレーよ」

「カレー3日連続はきつい……」

「それな」
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