保健室で寝ていたら、爽やかモテ男子に甘く迫られちゃいました。

「あ、噂をすれば」

「え……」

光莉たちの視線の先を追う。

「わー夏目くんどうしたの〜?」

マジですか。

教室のドアの前で女の子達に囲まれてる夏目くんが見える。

「うん、ちょっとね。用事」

女の子に爽やかな笑顔を向けた夏目くんの目がこちらを向いた。

「……っ、」

すぐに目を逸らす。

ああもう。
今回ばかりは周りからひどいと思われようが、冷たい態度とってやるんだから。

我慢の限界だ。
「あれ〜夏目くん、また菜花に会いに来たんですか?」

「ちょっと、雪ちゃん」

私たちの座る席にやってきた夏目くんに雪ちゃんがニヤついた顔で言うので慌てて制す。

「うん、まぁ、今日は木村さんたちバレー部に」

「え、私たち?!」

『木村』は雪ちゃんの苗字だ。

予想外の夏目くんのセリフに、バレー部の3人が目を開いた。

それは光莉も私も同じ。

夏目くんがバレー部に一体なんのようなんだろう。
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