保健室で寝ていたら、爽やかモテ男子に甘く迫られちゃいました。

ふたりの言い合いに割って入って私は口を開く。

あくまで『自然』に、その場を立って。

「私ちょっとお手洗いに……」

「あぁ、うん、いってらっしゃい!」

光莉にそう言われてすぐに席を離れて。

私は夏目くんと泉くんをかき分けるようにしてお手洗いに向かった。


「はぁ……」

手洗い場。
鏡に映る自分を見て大きなため息をつく。

雪ちゃんたちのあの様子だとまだまだ帰れなそうだな。

せめて、光莉がパフェを食べ終わって満足してくれれば、私と光莉はふたりだけ先に帰れるかもだけど。

まさか泉くんがここに働いているとは。

しょっちゅう言い合ってるけど、なんだかんだ馬が合うのか話し出したら止まらないからな。あのふたり。

夏目くんの視界には極力入りたくないから、

光莉が目的であるパフェをちゃんと完食できたらこの場を去ろう。

「よしっ、」

軽く自分の頬をパチンと叩いてから、お手洗いを出た。
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