あの空に手を伸ばして
歓迎パーティー
*
季節は過ぎ、11月になった。
あれからサクは無事退院した。
病院を勝手に抜け出したあげく、さらに傷を負って戻ったから相当怒られたと笑っていた。
サクはあのとき肩を負傷していただけで命に別状はなかったけれど、きっともし命の危険があったとしても、たかしくんの元へと向かう道を選んだと思う。
「たかしくん、明日だっけ?」
「そうそう」
そして、たかしくんがつい最近こっちに戻ってきて、明日からこの高校に転校してくることが決まっていた。
「また騒がしくなりそうだな」
「だね」
「俺たちのサクがたかしにとられちゃうー!!」
そういいながらも嬉しそうな信号機くんたち。
色々あったけれど、こうしてわたしたちはまた屋上に集まるようになった。