あの空に手を伸ばして
「はああ」
「ごめんね・・たかしくん」
一番の被害者は絶対にたかしくんだ。
転校早々、ありえないスピードで巻き込まれて本当にかわいそうだ。
「それにしても重すぎる・・・」
お菓子に机にテレビに椅子に、持ってくものが多くて分担したんだけれど、なぜかわたしは女の子なのに一番重たい机をもって階段を下りるという悲劇。
まあでもたかしくんに持たせるのは申し訳ないからしかたない。
「おーい!あったよ!」
とても元気な徹くんの声が聞こえた。
徹くんは自分が持ってきたテレビだけを大事に持ちながらすばやい速さで教室を見回っていた。