あの空に手を伸ばして
自由な世界
*
6月になった。
梅雨入りしてしまってから、雨でさすがに屋上にいくことができないわたしは仕方なく教室にいるのだけれど・・・
「ぎゃははは」
「うける」
「あーくっそー」
全くもって授業になっていない。
先生はずっと黒板に向き合っていて、ぼそぼそと何かを説明している。
ここの生徒は聞く耳を持たないどころかまず教科書さえ開かない。
本当になんのために学校にきているのだろうと不思議に思うけど、そんなことを考えてまったく授業を聞いていないわたしもきっと同じだろう。