あの空に手を伸ばして
サクside





―――「人殺し」

―――「お前があずさを殺した・・」

―――「お前なんていなくなればいい・・」


また、夢をみた。

たかしが戻ってきてから、俺は悪夢にうなされるようになった。




小さいころ、体が小さかった俺はよくいじめにあっていた。

体に傷をつくることなんてしょっちゅうで、でも家に帰っても誰もいない。

両親は共働きで、家にいることなんて全然なかった。

かえってくれば帰ってきたで「また喧嘩したの!?」と怒られ、いじめにあってることなんていえなかった。


自分の体を自分で抱きしめて、ただ泣いていた。



そんな弱かった自分が変わるきっかけとなったのは、たかしとの出会い――あずさとの出会いでもあった。

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