あの空に手を伸ばして
サクside
*
―――「人殺し」
―――「お前があずさを殺した・・」
―――「お前なんていなくなればいい・・」
また、夢をみた。
たかしが戻ってきてから、俺は悪夢にうなされるようになった。
小さいころ、体が小さかった俺はよくいじめにあっていた。
体に傷をつくることなんてしょっちゅうで、でも家に帰っても誰もいない。
両親は共働きで、家にいることなんて全然なかった。
かえってくれば帰ってきたで「また喧嘩したの!?」と怒られ、いじめにあってることなんていえなかった。
自分の体を自分で抱きしめて、ただ泣いていた。
そんな弱かった自分が変わるきっかけとなったのは、たかしとの出会い――あずさとの出会いでもあった。