あの空に手を伸ばして


「サク、やめろよ」


たかしは俺と違って真面目だった。

中学生になって荒れている俺をみても、友達でいてくれた。

でも、そんなたかしの正義さに、俺は余計イライラした。


「なに、正義ぶってんの」

「俺はただ、お前がケガしてるのみるのがいやなんだよ」

「だから、そういうのがうざいんだって」


たかしの手を振り払って俺はまた夜の街へと繰り出して喧嘩喧嘩。


俺はずっと孤独だった。

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