あの空に手を伸ばして
*
「サクと美咲ちゃんってほんとに付き合ってないの?」
たかしから話したいことがあるといわれ、2人きりで近所の公園にきた。
ここでよく遊んでいたのはずいぶんと前のようにも感じる。
「・・・うん」
なんの話かと思えば、突然そんなことをいわれて正直どきっとした。
「なんで?好きなんじゃないの?」
たかしの鋭い目線に思わず目をそらしたくなる。
いつだって、その正義に満ち溢れた目。
もう美咲を殺そうとしていた数ヶ月前のたかしはいない。