あの空に手を伸ばして
*
「「「お邪魔しまーす!!!」」」
「うるさい」
玄関を開けた途端響くうるさい3人組の声に思わず耳をふさぐ。
「あら、いらっしゃい。どうぞどうぞ」
そんな声はリビングにいたお母さんにも届いたようだ。
そしてその3人の後ろから申し訳なさそうな2人。
「わりいな」
「いいよ。わかってたことだし」
あの3人がうるさいことも、馬鹿なことももうとっくに知ってる。
おかまいなしにずかずかとあがっていき、こうして自分の家のようにソファでくつろげるんだから、そういう意味では偉大だ。
お母さんが少し困ったような顔をしてるのをみてごめんねと心でつぶやく。
でも、根はいい人たちだから、という思いとともに。