あの空に手を伸ばして


でも―――

「これ、めっちゃおいしいです!!」

「天才ですこれ。俺の母ちゃんこんなおいしいの作れない」

「これっておかわりありますか!?」


ごはんの時間になって、この3人の馬鹿だからこその正直な思いがお母さんにも伝わったようだ。


「たくさんあるわよ」

まるで子供のような3人にお母さんは嫌な顔ひとつせずに嬉しそうにおかずをよそってくる。


それをみてほっとした。

多分、お父さんを殺した人に風貌は似てるかもしれないけど、悪い人たちじゃないってことはわかったと思う。



「またきてちょうだいね」


帰り際、きたとき同様「お邪魔しました!」とうるさい声の3人に対してそういったお母さんをみて感動したくらいだ。


サクとたかしくんがきたときと立場逆転で脇役に思えてくるくらい。
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