あの空に手を伸ばして
「ごめん。俺も。傷つけて」
そういってたかしくんはわたしの首元をみる。
あのときたかしくんにつけられた傷は少しだけ残っている。
この数ヶ月の間でいろんなことがあったなと改めて思う。
みんないろんな悩みを抱えていて、もちろんわたしにだって大きな悩みがあって。
――「美咲の夢は消えてない。ちゃんとある」
――「美咲が立ち止まったら、何かにぶつかってどうしようもなくなったら、泣きたくなったら俺に頼れ。自由な世界なんて俺がいくらでも連れてってあげるから」
でもそういってサクが星をくれたから、いまのわたしがいる。
あの日がなかったら、わたしはきっとこうして変われていなかった。
いまはとても自由。
やりたいことができて、馬鹿なうるさい友達と大好きな人と一緒にいれて、夢もみつけて。