あの空に手を伸ばして
「なあ、てかお腹空いたんだけど。食べようぜ」
せっかくいろいろ買ってきて並べてある料理を忘れていたわたしたちにたかしくんが一言。
たかしくん。ごめん。
なんだかたかしくんの真面目さをみていると、わたしもこっちの波にのまれて馬鹿になってる気がする。
「メリークリスマスイブ!かんぱーい!」
紙コップに注いだジュースで乾杯。
「なあ、てかなんでお酒ないの??」
「未成年は禁止だから」
徹くんの未成年とは思えない発言にサクが当たり前だろとでもいうかのようにそう返す。
「サクだって呑んでたくせに」
そういって膨れているけど、わたし知ってるんだ。
出会ったときたばこを吸ってた3人がもう吸ってないこと。
傷をつくってきてたみんながもう喧嘩してないこと。
さすがにお酒は学校のときはもってきてないから知らないけど、でも多分であったころよりは呑んでないと思う。
みんな、ずいぶんと変わった。いい意味で。