あの空に手を伸ばして


「ねえ、写真撮らない?」

わたしたち、こんなにずっといるのに写真を撮ったことっていままであんまりなかった。

たかしくんが来る前もそうだし、きてからも。

ちゃんとした集合写真ってないと思う。


「いいね。撮ろう」


わたしを真ん中にしてサクとたかしくんが隣、信号機くんたちが後ろ。

携帯をたてかけて、タイマーにした。


「5秒だからね?いくよ?」


ボタンを押したサクがこっちへと向かって隣へ。


「っ????」


カシャという音とともに、ほっぺに柔らかい感触が。

「ええ???」

わたしきっとものすごく変な顔をした。

確実に変な顔をした。


固まったわたし。後ろにいた信号機くんたちも固まっている。

たかしくんだけは呆れたようにサクをみていて、そんなサクはすました顔で写真をみてる。

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