あの空に手を伸ばして
自販機に向かいお金をいれてボタンを押したところで
「あれ?優等生ちゃん?」
と声がした。
ああ、この学校でわたしをこう呼ぶのはきっと・・
「久しぶりだね?」
ああ、そうだよね。信号機くんたち。
いつの間にかわたしの前まで来ていて顔を覗き込んでくる。
「てかさ、名前聞いてなかったよね。おしえてよ」
「新田美咲。新しいに田んぼの田に美しいに咲く」
正直教えたくなかったんだけど、優等生ちゃんって呼ばれるのも嫌だし。
それに馬鹿だから漢字変換できないかもなんて思ってそんな難しい漢字でもないのに説明してしまった。
「さく?」
なぜかそこだけ反応された。