あの空に手を伸ばして
「サクが・・悲しむよ。美咲ちゃんの今の姿みたら、悲しむ」
「ほっといて」
「ほっとけない。サクの、大事な人だから」
たかしくんの言葉はいつだって重たい。
たかしくんは知ってるから。
大切な人を失う悲しみを。
「サクの部屋にあったんだ。これ」
そういって差し出してきたのは包装紙に包まれたなにか。
「たぶん、クリスマスに渡そうと思ってたんだと思う」
あけてみるとそこにはネックレスがあった。星のネックレス。
「っ」
サクが死んでから、はじめて泣いた。
大声で泣いた。
なにかがぷつんと切れてしまったように。