あの空に手を伸ばして
「・・落ち着いた?」
ずいぶん泣きじゃくってる間、4人とも静かにそこにいた。
こくりと頷く。
本当はいまだって信じられないし、信じたくないけれど。
「もっとはやくに、みんなに知ってもらっておくべきだった。そうすれば、サクのこと救えたかもしれないのに」
「・・・どういうこと?」
「サクは、父親に刺されたんだ」
そういったたかしくんの言葉が信じらない。
でもそれは信号機くんたちも同じだった。
「サクの両親は、ずいぶん前から仲が悪かったんだ。しょっちゅう喧嘩してるって。サクはよくいってたよ。仮面夫婦だって。はやく離婚してくれたほうがよっぽどいいって」
そんなこと、知らない。
サクは、自分の家族のことなんてなにも話さなかったから。