あの空に手を伸ばして


「サクに、会いたい」

「サクはみてくれてるよ。あの空からずっと」

そういってたかしくんが窓からみえる空に向かって手を伸ばした。


「いってたよ。美咲ちゃんに教えてもらったって。死んだ人はずっと空からみてくれて、見守ってくれてるって」


そういわれてはっとした。


どうしてわたしはいつも気づくのが遅いんだろう。


こんな姿、サクがみたら悲しむに決まってる。

サクがいま空からみてるんだとしたら、確実にわたしのこと怒ってる。

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