あの空に手を伸ばして




美咲の家まで送りひとりで帰る途中、クリスマスプレゼントを買ってないことをふと思い出した。

なにか買わないと。

適当に街をフラフラしていると、美咲にぴったりのものをみつけた。

値段をみると少しだけ高い。

でも、これしかないと思った。


小さい星がついたネックレス。



あの日一緒に見た星空は俺の脳裏に焼き付いている。

そしてその日美咲が泣きながら話してくれたことも。

あの日は我ながらくさかったと今になって思う。


でも美咲が目に見えるはずのない星に喜んでくれたから、バカにしないでくれたから、笑ってくれたから、俺はそんな恥ずかしささえよかったと思える。

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