あの空に手を伸ばして
*
美咲の家まで送りひとりで帰る途中、クリスマスプレゼントを買ってないことをふと思い出した。
なにか買わないと。
適当に街をフラフラしていると、美咲にぴったりのものをみつけた。
値段をみると少しだけ高い。
でも、これしかないと思った。
小さい星がついたネックレス。
あの日一緒に見た星空は俺の脳裏に焼き付いている。
そしてその日美咲が泣きながら話してくれたことも。
あの日は我ながらくさかったと今になって思う。
でも美咲が目に見えるはずのない星に喜んでくれたから、バカにしないでくれたから、笑ってくれたから、俺はそんな恥ずかしささえよかったと思える。