あの空に手を伸ばして
サクはどちらかというとわたしと同じタイプの人。
黒髪でピアスもあけてないし、制服も着崩してないし、優等生キャラにみえる。
「ねえねえ連絡先交換しようよ」
「・・・うん」
気づいたら頷いてた。
本当はあんまり関わりたくなかったのに、サクのことが知れるならと思った自分が不思議だ。
「あ、てかさこれから俺ら穴場に行くんだけど、美咲ちゃんもいかない?」
「え?」
「このまま授業さぼろって話」
連絡先を交換してここでバイバイだと思っていた。
でも、授業にでたところで同じ。
まるで檻に入れられてしまった動物のように、自由のようで自由じゃない世界。
それよりも、この人たちといたほうがよっぽど楽しいと思った。