あの空に手を伸ばして


「たかしがサクと仲いいのなんか意外だね」


でも、こうやっていったことはある。

たかしはどちらかといえば真面目。

不良みたいなタイプは嫌いそうにみえたのに。



「ほら、小3のときの話、覚えてない?おばあちゃん助けてたっていう」


でも、それをきいて納得した。

あの日帰ってきたたかしは開口一番に「すげえかっこいいやつみつけた!」っていってたっけ。

そうか。だからたかしはそんなサクのことが好きなんだね。



でもね、お姉ちゃんも納得したよ。

どおりで、悪そうにみえなかった。

だって、そんな風にできる子って絶対にいい子。

もし何か間違えた道にいってしまったのなら、それはきっとまわりのせいだと思う。


風貌は悪いのに、その顔が悲しそうにみえるのは、サクの本来の姿。


わたしはそんなサクのことを救い出したいと思った。

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