あの空に手を伸ばして
その理由は、たかしの親友だから、一一一ううん、違う。
サクのことが好きだから。
そのことに気づいたのは、つい最近。
「まあ、お前も運がなかったってことだ。最期だ。せっかくだからしゃべらせてやる」
ガムテープをとられたことで一気に空気がはいってくる。
「サク。ごめんね。サクは生きて」
ねえ、サク。ごめんね。
ずっと守ってあげられなくて、ごめんね。
サクの力になってあげられなくてごめんね。
「サク、ありがとう」
精一杯の笑った顔をした。
サクがわたしを思い出すときがあったときに、この笑顔であれがいいと。