あの空に手を伸ばして
「そう。徹がさお前が言えばきっと美咲ちゃんくるんじゃないかって言いだして」
――あ、それいうなよ
徹くんの声がした。近くにいるんだろう。
「うん」
「美咲きてよ」
ああ、わたしはこの声に弱い。
なんでだろう。
でもこの答えをわたしは知ってる。
サクのことが好きだからだ。
「・・うん」
「え!美咲ちゃんきてくれんの!!」
スピーカーにしていたのかわからないけれどわたしの返事が聞こえたらしく突然徹くんの大きい声がして思わず遠ざけた。
「じゃあ、今日の23時に学校の門前集合ね!じゃ!」
そういってそのまま切れた。
思わず「うん」といってしまった。
どうしよう。
とりあえずお母さんにいうしかない。
わたしは意を決してリビングに向かった。