あの空に手を伸ばして



「うう、さむい」

もう7月中旬なのに、夜はたしかにまだ冷え込む。

お母さんが用意してくれたスープとレジャーシート、それにブランケットをもってわたしは学校に向かっていた。

「サク?」

学校につくと門の前にいたのはサクだけだった。

てっきり4人で一緒にくるかと思っていたのに。

「あいつらなんかこれなくなったらしい」

そんな私の心の声が聞こえたのかサクはそう口にした。

「え?」

「家のこととかあるらしくてさ。徹とかあんなに楽しみにしてたのにな」

「・・そうなんだ」

5人でみれると思っていたのに。

いや、でもまてよ?ってことはサクと2人きり??
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