あの空に手を伸ばして
*
「うう、さむい」
もう7月中旬なのに、夜はたしかにまだ冷え込む。
お母さんが用意してくれたスープとレジャーシート、それにブランケットをもってわたしは学校に向かっていた。
「サク?」
学校につくと門の前にいたのはサクだけだった。
てっきり4人で一緒にくるかと思っていたのに。
「あいつらなんかこれなくなったらしい」
そんな私の心の声が聞こえたのかサクはそう口にした。
「え?」
「家のこととかあるらしくてさ。徹とかあんなに楽しみにしてたのにな」
「・・そうなんだ」
5人でみれると思っていたのに。
いや、でもまてよ?ってことはサクと2人きり??