あの空に手を伸ばして
「じゃあ帰る?」
「は?なんで?」
わたしと2人なんて嫌じゃないかと思って聞いたのに、サクは不思議そうに首をかしげた。
「いや、だってみんなこれないんじゃ・・」
「せっかくここまできたんだし、いこうぜ」
そういうとサクはあっという間に門を飛び越えていった。
「え、うん」
なんだか、2人きりだとサクが違う人に思える。
というかだいたい信号機くんたちが喋ってるからサクと2人でちゃんと会話をするなんてはじめてかもしれない。
「おい、こいよ」
「うん」
門を飛び越えるのは大変だったけれどサクが手を伸ばしてくれたからその手をとって中にはいる。
ドキドキ。
暗い学校、いつもなら入ることないこの時間帯。
普通なら見つからないかなっていう不安とか、でもわくわく感とか。そういうものを感じるのかなって思ってた。