あの空に手を伸ばして
「思ったより綺麗だな」
サクもそう思ってくれたみたいだ。
ここはわりと田舎なので大きな建物はなく、明かりも少ないからもともと星はよくみえて、自分の家からも外にいけば見えるんだけれど、ここまでとは想像以上だ。
「すわるか」
「うん。あ、レジャーシートもってきたの」
「はは。準備いいな。さんきゅ」
やっぱりいつものサクじゃない。
いや、たしかにサクなんだけど、こんな風に笑うなんて。
わたしたちはレジャーシートをひろげその上に寝転んだ。
このほうが、空全体を見渡すことができるから。